スラグ問題

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高崎市内に基準超える有害スラグ/党県議団が公表

日本共産党群馬県議団は18日、高崎市内の駐車場や道路で、土壌汚染対策法の基準を大幅に超える鉛やヒ素が検出された調査結果を公表しました。工事で使われたスラグの中に含まれていたとみられます。   県議団は8月に、みさと芝桜公園、同善地梅林公園、同蟹沢梅林公園の各駐車場など4カ所について、敷砂利などに含まれる鉛やヒ素の分析を専門機関に依頼。その結果、どの地点でも基準を超える鉛やヒ素が検出されました。鉛61・3~9・8倍、ヒ素は2・3~1・3倍でした。   7月には県が、公園一帯から数キロ離れた県道高崎渋川線バイパスの盛土の一部から、基準を超える鉛とヒ素が検出されたと公表しており、同一のスラグが原因とみられます。   議員団は同日、県知事と高崎市長あてに、詳細な調査と使用されたスラグの産業廃棄物認定、排出・工事施行業者に速やかに撤去させるよう要請しました。   記者会見で伊藤祐司県議団長は、バイパスでの問題以降、各地でスラグが使用されているとの情報が寄せられていることから、民間の工事でも使用されている可能性も大きいと指摘。「産業廃棄物を敷砂利代わりに使っている。明らかな環境汚染事案であり、県と市の環境部局は速やかに対応する責任がある」と述べました。   群馬では、大同特殊鋼渋川工場から排出された有害鉄鋼スラグ(県は産業廃棄物と認定)が、渋川市内などの道路や学校・遊園地の駐車場などに使用されて大きな問題になっています。

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廃棄物処分場搬入路に有害鉄鋼スラグ 撤去せよ/県 使用認めるも「生活上支障ない」と強弁 

 6月8日の環境農林常任委員会で、酒井宏明県議は大同特殊鋼の鉄鋼スラグ問題を取り上げました。 県廃棄物リサイクル課はスラグの使用箇所について、公共事業で347カ所、民間事業で112カ所、そのうち環境基準を超えたスラグは135カ所あることを明らかにしました。 酒井県議は、渋川地区広域市町村圏振興整備組合小野上処分場の仮設道路でフッ素の基準値が4倍以上、六価クロムも基準値超を検出した調査結果(昨年9月)にふれながら、どのくらいスラグが使用されているか質しました。 県は大同特殊鋼や佐藤建設の出荷記録などから少なくとも179トンのスラグ入り砕石が使用されたことを認めました。酒井氏は、実際には1000トン使われているとして全量撤去を求めましたが、県は土壌については基準値内であることから、生活環境保全上の支障はなく措置命令の要件にあたらないと強弁。酒井氏は、県の姿勢は違反行為を行った産廃事業者に対する厳正な対処を強調した環境省の「行政処分の指針」に反すると指摘。すでにフッ素や六価クロムなどの有害物質が検出されており、生活環境上支障をきたしている。速やかに撤去の措置命令を出すよう強く要請しました。

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有害鉄鋼スラグ「被覆」は違法ー大同の責任で撤去、原状回復させよ 県環境森林部長らに申し入れ 

 大同特殊鋼株式会社渋川工場から排出された有害鉄鋼スラグが、群馬県内の公共工事に使用されてきた問題で、日本共産党群馬県議団は22日、大澤正明知事あてに適法指導を求める申し入れ書を提出し、須藤雅紀環境森林部長らと懇談しました。 フッ素や六価クロムを含む鉄鋼スラグは、長年にわたり、八ッ場ダムや道路、遊園地、学校などの駐車場に路盤材や敷砂利などとして使用されてきました。その有害性や違法性が明らかになり、群馬県廃棄物リサイクル課が2016年9月に産業廃棄物と認定した後も、その大半が未処理のまま放置され、県民の生活環境を脅かしています。 一方で、国土交通省と群馬県、渋川市の3者による連絡会議は、環境汚染の回復についての権限を持っていないにもかかわらず、ほとんどの現場をアスファルトによる「被覆工事」で処理する方針です。 申し入れで、議会毎にこの問題を追及してきた伊藤祐司県議団長は、産業廃棄物と認定された有害なスラグを「被覆」することは違法だと改めて指摘。知事は県環境行政の指導監督機関の長として、こうした手法はただちに中止し、スラグの排出者である大同特殊鋼の責任で撤去・原状回復をさせるべきだと求めました。 現状では極めて不十分な連絡会議でさえ出していた、撤去方針でさえ守ろうとせず、例えば、渋川スカイランドパークの駐車場を、渋川市は「被覆工事」する方針に転換し、議会の批判を受けているありさまです。伊藤氏らは、「県は環境行政として毅然とした態度をとるべきだ」と強く要請しました。 須藤雅紀県環境森林部長は、「状況を見ながら、県民の生活、健康が一番という観点で法律に則って対応していく」と述べるにとどまりました。

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スラグ地下水汚染/汚染招いた環境行政に反省なし 決算特別委総括質問で伊藤県議が追及 

 10月24日の決算特別委員会総括質問で、伊藤祐司県議が、渋川市の小林製工運送株式会社の有害スラグによる地下水汚染問題を集中的に追及。県の環境行政の怠慢を浮き彫りにしました。  大同特殊鋼渋川工場から排出されたスラグを長年にわたり埋め立ててきた、小林製工の廃棄物最終処分場で、六価クロムによる地下水汚染が問題となっています。同処分場では現在、くみ上げられたタンクローリー20台分/日の汚染水が、大同特殊鋼に運ばれて処理されています。この汚染水には、これまでの調査で、最高で環境基準の50倍にもなるような六価クロムが含まれています。  質問で伊藤氏は、県の指導により産業廃棄物処理の認可を持たない大同特殊鋼が処理をしていることについて、「県の対応は違法行為の教唆だ」と批判し、大同が処理をする法的根拠をただしました。環境森林部長は、明確な根拠を示せませんでした。 地下水が汚染された場合、環境基準で定められている25種類の特定有害物質について、測定が必要です。県は、フッ素の値について小林製工と大同が独自測定していることを明らかにしましたが、測定値の公表については、「(最終処分場の技術上の基準を定める環境省令の)検査項目とされていない。事業者で独自に検査しているもの」だと述べました。  伊藤氏は、「処分場の保有水ではない、はるか下の地下水汚染だ。土壌汚染が進んでいると考えなければいけない」と指摘。業者まかせでなく、県が測定し、結果を公表していくよう強く求めました。 さらに、地下水汚染のレベルから見ても、埋め立てられていた廃棄物が、本来であればこの処分場で処分できなかった可能性が極めて高いと指摘し、現在改善工事のため移動されている廃棄物を調査するよう要求。森林環境部長は、地下水汚染について「様々な要因が推測できるが、あくまでも推測の域を出ない状況」と答弁。伊藤氏は、「それならば〝推測〟ではなく、検査をして、違反して埋め立てていたのかどうなのかをはっきりさせればいいではないか」と迫りました。 部長が、「埋め立て処分から年数が経過し、基準に適合していたかを確認するのは難し」との見解を示したのに対し、「そこにあるものを調べて判断すればいいではないか。悪徳な法違反をしたかもしれない業者を守るのか。そういう立場で環境行政をやられたら、群馬の環境は守れない」と強く批判。05年に地下水汚染が明らかになった時点から対処を怠り、業者に操業停止の措置も原状復帰の改善命令も、住民に対する情報提供もしてこなかった県の対応に猛省を促しました。

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有害スラグ事件/県も「不起訴は意外」

 13日の群馬県議会環境森林常任委員会で、伊藤祐司県議は、県が告発した大同特殊鋼の有害スラグ事件で、前橋地方検察庁が「廃棄物性に疑義がある」という理由で不起訴にした問題について、県の姿勢をただしました。  伊藤氏は、スラグをリサイクル品として活用するにあたって群馬県以上に厳しく基準を決めている県では、「この事件の群馬のスラグの廃棄物性が〝疑わしい〟と言うようでは、環境行政の根底が脅かされる」という声をもらしていることを紹介しながら、県として、不起訴が不服であるという県の姿勢を示す上でも検察審査会に申し立てするべきだと要求。  岩瀬春男廃棄物・リサイクル課長は「十分な調査にもとづいて告発を行ったものであり、不起訴処分については意外である」と述べるとともに、申し立てについては「慎重に検討している」と答弁しました。  一方、いまだに環境中に放置された有害スラグについては、判明している337カ所のうち、撤去処分となったのは24カ所のみで、206カ所がアスファルトなどでの被覆、52カ所が立ち入り禁止、55カ所有害物質が基準値以下だったとして露出したまま放置されていることが明らかになりました。  伊藤氏は「有害廃棄物の公共工事への利用を容認してきた国交省、県土整備部、渋川市の3者が、スラグ撤去についての方針を決めるというのは県民は納得しない」と述べ、県の環境部局として判断し、指示するべきだと強調しました。