最終日の本会議でのこと、自民党を中心に環境農林常任委員会が発議した「事前協議規程における廃棄物最終処分場の1㎞ルールの見直しを求める決議」が上程され、伊藤祐司議員が提案者への質疑をしました。 「1㎞ルール」というのは、最終処分場が特定の地域に過度に集中しないようにする目的で10年前につくられたものですが、決議案は、災害廃棄物の処分場や厳密な管理が必要な管理型処分場の必要性に触れ、優良な業者で地元市町村の同意が得られている場合などを条件に、「1㎞ルール」の特例を認めることを求めています。
伊藤議員は、わずか5分の質疑時間のため、端的に「優良業者であれば既存の処分場に隣接して新たな処分場を可能とする記述になっているが、最終処分場を特定地域に過度に集中させない、というインセンティブは変化なく存在している」「集中立地の回避はどう担保されるのか」と、40秒ほどで問いました。
答弁に立った今泉議員(自民・環境農林常任委員長)は、「丁寧に説明」と言い、残り時間すべてを使いきって発言。その中身は、決議案に書かれている文言が大半で、まともな答弁にはなっていませんでした。発議案に対する本会議の質疑は、相対してのやりとりで行われているのに伊藤議員は再質問の時間を奪われてしまい、ディベートが成立しませんでした。
伊藤議員の準備していた再質問は、「県内の最終処分場の残余年数は十数年あると、本会議の答弁でも明らかにされている」「SDGs の観点から見れば、廃棄物は製造段階から極力出さない、廃棄ではなく全量回収し、リユース、リサイクルできるものをつくる、あるいはそういうシステムにすることが求められている。廃棄物に関わる決議ならば、こちらの観点こそ必要ではないか」というもの。
答弁の時間制限は規定されていないとはいえ、再質問がいやで、わざと時間を使い切ったのだとすれば、議会人としていかがなものでしょうか。