「始動人」評価しつつも       ICT 教育・AI 教材 孤立した学びの危険 教職員の増員こそ最重要課題 伊藤議員が質問

 日本共産党の伊藤祐司群馬県議は 2 月 28 日の一般質問で、県がかかげる「始動人」育成について取り上げ、教職員の増員を求めました。
 伊藤氏は「自らの頭で考え、生き抜く力を持つ」という始動人の概念を、「人格の完成」をめざす教育の目的と響き合うものとして評価しつつ、タブレットなどを使用したICT教育イノベーションこそ個別最適な学びを可能とし「始動人」を育むとしている県の考えを批判。AI(人工知能)型ドリル教材などが子どもを個別最適な学びに導くかのような経産省のレポートなどを示し「これでは子どもがそれぞれタブレットに向き合いAIに教えられることになる。個別最適ではなく、孤立した学びになる危険がある」と指摘しました。
 伊藤氏は「個別最適な学び」も「誰一人取り残さない学び」も「数値化されにくい心の力を重視する教育」も、現場の教職員こそが長年にわたって取り組んできたと強調。「教師の自由な教育実践を保証することが重要だ」と力を込めました。
 また今の学校が、子どもにも教職員にもストレスが多い場所になっている点に触れ、その背景にある競争的教育、管理教育、同調圧力などを正さねば「始動人」はとても育たないと指摘。「教職員の増員こそ、現状を変えるための最重要課題だ」と主張しました。